とこうわらび(鯱の会)花冷えや切り離されたドアの中
しゃっきりと目を覚ませない海苔かじる
わさび漬け刻む音する夜中かな
前掛けを締めて出陣こどもの日
居酒屋にはじけるラムネ皿運ぶ
ななかまど(鯱の会)涼しげに鴨川の鴨水を掛け
馬刺喰う隣の人の花粉症
サシ飲みにお前は来んな稲花粉
梅田駅夕凪戦線異常あり
川嶋健佑(船団の会、鯱の会、つくえの部屋)夏帽子神戸の海に浮いている
電線が絡みあう日の青葉風
ぶらんこに夜風が響く世相かな
向日葵に異邦人来てずっとジャズ
とこうわらび(鯱の会)花冷えや切り離されたドアの中
ななかまど(鯱の会)涼しげに鴨川の鴨水を掛け
川嶋健佑(船団の会、鯱の会、つくえの部屋)夏帽子神戸の海に浮いている
杉山久子本番の前のためいき柚子の花
神谷波日本国憲法前文山藤が似合ふ
石童庵梅寒し文革以後は違ふ国
夏木久乳液を出し過ぎてをり花ふぶき
中村猛虎(なかむらたけとら)1961年兵庫県生まれ。「姫路風羅堂第12世」現代俳句協会会員。向日葵に見つめられていて童貞
小林苑を肩に上着を陽炎の町に着く
筑紫磐井歳旦のある春興の本意かな
北川美美わたくしにわたくし帰る花は葉に