2016年6月3日金曜日

平成二十八年春興帖 第十二 (小林苑を・筑紫磐井・北川美美)




小林苑を
肩に上着を陽炎の町に着く 
死んだ兵士に石鹸玉飛んでゐる
青空の見えてバケツに霞草



筑紫磐井
歳旦のある春興の本意かな
春分のしづかな君と僕の生活
アパートで晩春しつつ女ひとり



北川美美
わたくしにわたくし帰る花は葉に
春塵にバスは消えゆくラストシーン