俳句新空間俳句帖
スクロールしてみる俳句巻子本。 年二回、媒体誌『俳句新空間』に転載。 SINCE 2012(平成24).12.28.
2017年11月17日金曜日
平成二十九年 秋興帖 第四(杉山久子・真矢ひろみ・木村オサム)
杉山久子
折鶴の千の軋みを十三夜
さよならの数だけひろふ木の実かな
行く秋の猫と分け合ふカレーパン
真矢ひろみ
食べるのが遅いだなんて 獺祭忌
楚々ときて編集後記紙魚留まる
蚯蚓鳴いてANA三便の遅れけり
末枯に錦もあるぞ筑前煮
手を挿せば爪の縦筋水の秋
木村オサム(玄鳥)
芒野の中心点に立たされる
一文字も入力しない夜長かな
かなかなや回送電車野に停まる
夜なべする父の書斎の無重力
葡萄一房顔を知らない友ばかり
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