俳句新空間俳句帖
スクロールしてみる俳句巻子本。 年二回、媒体誌『俳句新空間』に転載。 SINCE 2012(平成24).12.28.
2017年11月24日金曜日
平成二十九年 秋興帖 第五(大井恒行・小林かんな・網野月を)
大井恒行
半立ちでいく夢さびし秋の蚊も
秋刀魚焼く平成すでに尽きんとし
千年のひかりを先に火の祭
小林かんな
詩となりぬきちきちバッタ着地して
花野めくかりそめの書肆寄せ合いて
自著を売る人人人人蟋蟀
気鬱症いいえ花野に長居した
月夜ならボタンが落ちているだろう
網野月を
コピー機の前に佇む秋思かな
コスモスの素顔装いの菊花展
正装の和歌俳句とは肉体恥
秋灯その他の中に子どもの名
行く秋やゴミ袋から竹の串
六本足のタコソーセージ十三夜
遠山の紫恋えば水明り
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