2015年2月13日金曜日

平成二十七年歳旦帖、第六 (水岩 瞳・羽村 美和子・飯田冬眞・筑紫磐井)



水岩 瞳
いつの世もお金大切のこり福
大仏の背の青空の淑気かな
遠き日の獅子舞どこへいつたやら


羽村 美和子(「豈」「WA」「連衆」同人)
しらじらとすずなすずしろ原子炉
葉ぼたんの耳鳴り皇帝円舞曲
歳旦の過去ばかり見える遠眼鏡



飯田冬眞(「豈」「未来図」)
初筑波風の柱をかいくぐる
頭を下げて男根捧ぐ初神楽
初夢の羊は銃を抱へ跳ぶ


筑紫磐井
構想力がすべてはじまり初鴉
歳末が歳旦となる一昼夜
破礼てゐて春の下の句めでたけれ