2015年7月10日金曜日

平成二十七年夏興帖 第一 (曾根 毅・杉山久子・福永法弘・池田澄子・ふけとしこ・陽 美保子・内村恭子)




曾根 毅(「LOTUS」同人)
太古から眠りを覚ます蛇の舌
瀧流れ落つるに全て任せけり
脈打っている初夏の白シーツ



杉山久子
くちなはを威嚇する眼の縹色
優曇華や黒ヌリの書を透かし見る
匙の柄に金の鳥ゐる昼寝覚




福永法弘(天為同人、石童庵庵主、俳人協会監事)
蛍見やほのかに白き行者橋
白川に落ちて蛍の流れけり
白川に沿ひ祇園まで蛍追ふ




池田澄子
葉桜の日陰紅茶のような優しさ
枕優し中は夜風の葉桜かや
カヤツリグサ心残りは砂利のよう
要するに恋人は汗もて光る
光ファイバー通信網戸越し守宮




ふけとしこ
枇杷の実に残る青さも生家なる
何か生れさう指に押す枇杷の種
遠く見て睡蓮近づいて睡蓮




陽 美保子(「泉」同人)
挺身の光ひとすぢ旧端午
一艇を運ぶ肩あり雲の峰
包丁の腹を使ひぬ半夏生




内村恭子 (天為同人)
けふも街走る地下鉄明易し
フォークリフト蠢く波止場油照り
梅雨深し工事のランプ点滅す
キーボード叩き続ける熱帯夜
短夜や工場は火を吐き続け