前北かおる(夏潮)仮り初めの勤めに馴染み小六月
時なしの蚊にたかられて枇杷の花
色付きてなほ稚く実千両
ふけとしこ滝壺を覗き込むとき背に冬日
冬紅葉キャラメルシュガー壺に満ち
時雨忌の湖や鳶を見失ふ
川嶋ぱんだ(( )俳句会代表、船団の会)父ちゃんが炬燵と言わんばかりかな
ストーブの名前にポチとつけてみる
布団から顔出せば国境あたりかな
空き缶を積んで冬日の主夫を抱く
風花が散るまで君を待っている
風花が散るまで黄身のぷるぷるす
風花が散る散る海が満ちていく
とこうわらび(( )俳句会)氷雨降る肩に不安の刺さる音
クリスマス子供をやめた証の日
枯れ葉落つまたも懲りずに酔っ払い
マフラーに久しぶりねとご挨拶
ストーブやごくりと灯油のまれゆく
朝焼けを背負って行くや寒の入
林雅樹 (澤)枯野より父帰らずよ次は息子か
枯野に駆け込むMajiで尿洩る五秒前
銀杏散る痴漢注意の看板に
早瀬恵子冬銀河メトロノームの甘き死よ
妖怪の国籍いずこ冬の園
霜月のボジョレ・ヌーボー君が好き