2015年12月18日金曜日

平成二十七年冬興帖 第四 (坂間恒子・望月士郎・青木百舌鳥)


坂間恒子  (「豈」「遊牧」)
水中の木が両手挙げ十一月
薔薇園に冬蝶の骨沈みゆく
枕木は深夜に燃える枇杷の花



望月士郎 「海程」所属
冬三日月紙片が指をすっと切る
かなしみ時に鶴を束ねて売りに出す
ふかふかの蒲団の中のカフカの眼
盲点にいつも綿虫舞う故郷
故郷よりころころ赤い毛糸玉



青木百舌鳥(「夏潮」)
落葉降る音や枝に打ち枝に打ち
山里の枯れて清らか碑も
野沢菜の一ト桶ほどの刈り残し
供花ありて文字は見えず薮柑子
川底を冬日の綾の遡りをり