浅沼 璞駅うらゝ義和団のことなど話し
あふのけのシンディーローパー花万朶
桜湯のシンディーローパーまたゝける
かのワイングラスにひたる桜貝
竹岡一郎役(えき)として弥生を病める丸太かな
亀よりも低き看経して狙撃
透けてから雛市巡る母子あり
折檻が接吻が鳴り抱卵期
断崖へ光あわだつ花衣
セーラー服黝ければ六阿弥陀
星間を耕す鍬の余韻かな
水岩瞳ひらひらりこれを私の初蝶とす
梅が香や幾たびも吸ひまたも吸ふ
蒲公英や舗道の隙間埋め尽くし
麒麟の子はにんげん不思議 花ミモザ
永き日のタカアシガニの一歩か
夏木久戦場を消す啓蟄の未明かな
私といふ刑場のあり冬すみれ
谿多きカレーライスや調印式
ジャズを聴き眠る入江の魚や貝
議事堂の春の影なりウロボロス
春は曙あなたは最早夜汽車じやない
パセリ探しスカボロフェアーへ春ゆけり