夏木久水揺らす花は異色の出家かな
初蝶やすでに伴天連追放令
投函せる旅の終りや冬燈
影さえも家引き払ひ福笑ひ
音楽も刺客も辻には誰も居ず
原子炉をながめて卵かけごはん
バス停に影伸び過ぎてまた乗れず
網野月を天皇誕生日日本一の晴れ男
クリぼっちカボチャ祭は好かったな
あなたのこと気になり出して去年今年
アールデコの門扉門柱淑気満つ
初運転おいでおいでのコンチクショウ
読初や天金濡れて滲み出す
腰蒲団柄のポケモン語り出す
坂間恒子注連飾おろしてのちを喪に服す
年賀欠礼胡蝶蘭に水を遣る
初詣天狗の下駄の暗がりに
渡辺美保一陽来復阿蘇より届く晩白柚
くるみ餅三つ花びら餅五つ
また上手く結べぬリボン福寿草
神谷波あまりにも穏やかすぎるお元日
太古から変はらぬ夕日鏡餅
わが古稀を信じられないごまめかな