渡邉美保独活と烏賊若布と酢味噌相関図
花冷えの手に渡さるる特急券
鳩笛の音のくぐもり花万朶
かげろふをたがやしている男かな
アーモンド齧り蛙の目借時
ふけとしこ見てゐれば一羽が二羽に春の鴨
貝殻の沈んで白き春の水
紙袋二枚重ねに持ち朧
坂間恒子首塚にさるのこしかけ連用形
首塚のとなり山猫料理店
さえずりの火箭朱雀門聖別す
レトリック辞典ひらけば青大将
椿屋実梛抱かれしあとの春雨振り払ふ
品川に乗換へをして春の虹
打刻して帰るパートや夕桜
海の向かふひたすら空の五月かな
マグカップ濯いでつかふ春ゆふべ