俳句新空間俳句帖
スクロールしてみる俳句巻子本。 年二回、媒体誌『俳句新空間』に転載。 SINCE 2012(平成24).12.28.
2017年12月1日金曜日
平成二十九年 秋興帖 第六(花尻万博・山本敏倖・内村恭子)
花尻万博
白露や人を避(よ)けては人に寄り
獣らは無言楽しみ花園よ
烏瓜夕日に緩みあらぬかな
今寄せる波聞きゐたり名残蚊帳
無花果や光の上を光垂れ
芒原波となる音微かなり
山本敏倖
望月のごと正座して妻を待つ
ふらんすの容の秋思翻訳す
山粧うプチ整形の手術痕
天元へ行って帰って野菊なり
胡桃割る列島の角現れる
内村恭子
月忙し神話の女みな住ませ
写真傾けハロウィンの異人館
コンテナの角をきりりと秋高し
雨催ひ路地の焼き栗よく匂ひ
路地赤く染め秋霖の中華街
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