松下カロ人日の一駅先の合鍵屋
刻まれて芹は小さな島となり
だぶだぶの花柄パジャマ小正月
内村恭子初浅間風のナイフが削ぎ真白
狛犬の化粧際やか初詣
中京や雪積もりゆく犬矢来
飼犬はをらず読初に八犬伝
ロビーに金屏風外は銀世界
浅沼 璞歳旦三つ物
犬あまた初日まぶれに丘の上
飼主たちの交す年酒
花を酔ひ月を酔うてはギター抱き
渡邉美保お焚上の最後の榾の燻れり
あやふやな顔となりけり初鏡
日照雨きらきら予定なき五日
人日の魚の肝のゼリー寄せ
佐藤りえあはゆきをたつたひとつのお守りに
クレヨンの海漕ぎいづる宝船
大寒や末の娘も指圧中
履き物の出尽くしてゐる三が日
野良猫に尾など振られて御慶かな
筑紫磐井平成のなつかしくなる初放屁(おなら)