俳句新空間俳句帖
スクロールしてみる俳句巻子本。 年二回、媒体誌『俳句新空間』に転載。 SINCE 2012(平成24).12.28.
2019年9月20日金曜日
令和元年 花鳥篇 第五(林雅樹・渡邉美保・家登みろく)
林雅樹(澤)
高校俳句部交る雀の交るを見て
教室で魔羅出す教師桜散る
泡吹きて痙攣するや花見客
ホルモンの活発に出る躑躅かな
百千鳥厠に足の痺れけり
渡邉美保
川萵苣の花散る水面つばめ来る
幾百の夜を過ごせり蟻地獄
プチトマト仰山育て夏痩せす
月の出を人になるべくスッポンモドキ
家登みろく
新しき靴もて薄暑光の中
一粒に座りよろしきさくらんぼ
遮断機のするりと上がり虹さやか
木の匙を濡らし濡らして氷菓食ふ
極暑かな日出づる国の五輪騒
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