2020年7月10日金曜日

令和二年 花鳥篇 第八(高橋美弥子・菊池洋勝・川嶋ぱんだ・家登みろく)



高橋美弥子(樹色)
下萌や産直市に人あふれ
春暁の悪夢を獏に食はせたし
春の月ラピスラズリを握りしむ
バタールを十回囓んで春時雨
春ショール三越前の閑散と


菊池洋勝(樹色)
石鹸玉飛べるソーシャルディスタンス
憲法記念日のテレビ会議かな
渋谷駅展望台へ蟻の道


川嶋ぱんだ(樹色、夜守派)
食パンの穴に足長蜂の穴
つばくらめきて向日葵の群のなか
夕立の溢れて沈下橋怒濤
夏蝶がどんどん増える無菌室
蛇口錆びれば蜈蚣這い触れられず


家登みろく
ほむら立つ日の出の中や伊勢詣
人が人厭ふ春なり疫病えやみ
風見鶏ぐるぐるときのけの春を
忍ぶれど恋の鼻歌チューリップ
南風待つ紙飛行機は芝の上に