俳句新空間俳句帖
スクロールしてみる俳句巻子本。 年二回、媒体誌『俳句新空間』に転載。 SINCE 2012(平成24).12.28.
2022年2月4日金曜日
令和三年 秋興帖 第十一(飯田冬眞・佐藤りえ・筑紫磐井)
飯田冬眞
ことごとく闇の供物や流燈会
歪みても戻る治癒力踊の輪
かさぶたのどこかが濡れて鵙の贄
剣もたぬ身やさいかちの実を垂らす
捨案山子裏地に龍の刺繍秘め
釜めしの蓋に貼り付く夜寒かな
身にしむや郵便受けにガムテープ
佐藤りえ
いやにしづかに物理の神は後の月
やや寒くロリポップ嚙むふつうの子
登高やあれが富士よと云ひつのり
筑紫磐井
菊薫る菩薩 前衛なかりけり
月夜野のあぶら屋に似て非なる
怪
(
くわい
)
宇井博士 遠く白いは秋の道
次の投稿
前の投稿
ホーム