俳句新空間俳句帖
スクロールしてみる俳句巻子本。 年二回、媒体誌『俳句新空間』に転載。 SINCE 2012(平成24).12.28.
2022年12月16日金曜日
令和四年 夏興帖 第九(依光正樹・依光陽子・佐藤りえ)
依光正樹
いまはもう眺めるだけの夏の海
汗かいて夏の夕の靴磨き
川晴れてしばらく梅雨を忘れたる
卓袱台のライスカレーや戻梅雨
依光陽子
雨待てば草かげろふの卵揺れ
るりぼしかみきりこの棘はやさしき棘
一歩入れば楳図かずおがゐて涼し
また一人夏の日暮を置きに来る
佐藤りえ
前脚を虹に踏まれてゐたりけり
プランタン銀座夏行くトッカータ
傀儡派守旧派のり弁に黒揚羽
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