眞矢ひろみ逆光の芒野ねじの音すなり
国葬の先へさきへと秋ともし
山の秋千年待つも帰らない
影をみな朱隈のなかへ秋の暮
体育の日の言ひ様が歪なる
林雅樹(澤)議員会館前喚く人ゐて銀杏臭ッ
柿干してありタコ足のハンガーに
夜糞るはせつなし竃馬もゐて
加藤知子匿名が叱られ青蜜柑剥かれ
秋澄むや紅き器をカルデラといふ
桃吹くよう地雷踏むよう逝く女
青い骨白い骨へと照る紅葉
極私的林檎は桃と合体せむ
花尻万博猪垣に集ふ子よ尻柔らかに
波幾つ鹿を巻き入れ枯木灘
舟に差す母のコスモス濡れ通し
唐辛子掴む子の手に何か灯る
直線に村過ぎ木の国の鹿よ
烏瓜過熟かおしやべりの過ぎ