俳句新空間俳句帖
スクロールしてみる俳句巻子本。 年二回、媒体誌『俳句新空間』に転載。 SINCE 2012(平成24).12.28.
2016年4月8日金曜日
平成二十八年春興帖 第四 (前北かおる・神谷波・網野月を)
前北かおる
草の青俄かに濃ゆし犬ふぐり
けらけらと空き缶転げ風光る
初桜老いて口数多からず
神谷波
はつさくを山ほど剝いて煮て朧
たんぽぽの絮そつと乗る夜風かな
大振りの白椿には曇天こそ
網野月を
春光や櫓の上の高層ビル
松禄を抜け出して食う穴子焼
イマカツの香りを余所に春の街
五代目を襲名興行花だより
雪姫の落花や風の春ならば
青柳の夕風の先煉瓦亭
髪匂う滲むネオンの春の宵
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