俳句新空間俳句帖
スクロールしてみる俳句巻子本。 年二回、媒体誌『俳句新空間』に転載。 SINCE 2012(平成24).12.28.
2016年11月18日金曜日
平成二十八年 合併夏・秋興帖 第十一 (松下カロ・もてきまり・内村恭子・坂間恒子)
松下カロ
うつとりと水へ入るなり秋の蛇
疵ありて香る檸檬もたましひも
鳩の羽 人形の首 夕花野
黄落のたびに柩は透きとほる
うつとりと菊の花びら酢に沈み
もてきまり
十月知的孟宗竹と無知アタシ
身のうちの既知くだくべく柘榴割る
無意識のコスモス畑俺を責む
内村恭子 (天為同人)
高野槇高々とある墓所の秋
廻廊を四角く巡る鱗雲
曼荼羅に清盛の血や秋暑し
肉でなき肉の美味なる十三夜
虫すだく仏像半眼で眠り
坂間恒子
ひょっとして白曼珠沙華本籍地
泥濘の白刃櫓雨後の羊歯
感情の毀れそうなり鶏頭花
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