2016年11月18日金曜日

平成二十八年 合併夏・秋興帖 第十一 (松下カロ・もてきまり・内村恭子・坂間恒子)




松下カロ
うつとりと水へ入るなり秋の蛇
疵ありて香る檸檬もたましひも
鳩の羽 人形の首 夕花野
黄落のたびに柩は透きとほる
うつとりと菊の花びら酢に沈み



もてきまり
十月知的孟宗竹と無知アタシ
身のうちの既知くだくべく柘榴割る
無意識のコスモス畑俺を責む



内村恭子 (天為同人)
高野槇高々とある墓所の秋
廻廊を四角く巡る鱗雲
曼荼羅に清盛の血や秋暑し
肉でなき肉の美味なる十三夜
虫すだく仏像半眼で眠り



坂間恒子
ひょっとして白曼珠沙華本籍地
泥濘の白刃櫓雨後の羊歯
感情の毀れそうなり鶏頭花