木村オサム掬ふたらけむりになりし春の水
天界の耳を咲かせる大桜
あさっての真夜が見頃と桜守
モザイクをかけられし村春の風
満開の桜の下の手術台
真矢ひろみ還るのか産むのか春泥キラキラす
にがよもぎ高音伸びる初音ミク
県道に大蛙をり海苔弁当
水岩瞳初蝶や犬の鎖を解き放ち
若芝の真ん中猫が座を正す
昇降機途中で止まる三鬼の忌
わたくしも二つのおもて月日貝
ゴールデンウイークお出かけは三千歩
家登みろく戯れて拗音多き春の泥
蘖や人の世を捨て人となる
そぞろ神枝垂桜を揺らしづめ
あてどなき旅の途桜また桜
空磨くごとく手を振り昭和の日