仙田洋子春の宵じゃんけんぽんで負けて死ぬ
鳥帰る十字架運びゆくやうに
春愁の極みに巨象耳を振る
四月馬鹿待たずに逝けり志村けん
桜守野太き声を出しにけり
白鼻芯消えてしまひし花の山
始祖鳥の影よぎりけり春の月
杉山久子雲梯にぶら下がり見る春の雲
春愁をまぜてタピオカミルクティー
亀鳴くや三千年の禁固刑
大井恒行鳥よ毎朝悲愴にかわす春の言の葉
花ふぶく日月火水木金金
ゆずり葉のゆくゆくいずれ風の色
池田澄子家々や春が寒くて かと言って
浦風の途切れ仔猫が塀の上
べつにいいけど土手のぎしぎし手が届かぬ
二羽ずつの残り鴨かな川長し
豆の花他力本願難しき