真矢ひろみタブーなる宴もたけなわ夏の月
俳句っぽい五七音字と夕端居
ひかがみと素数の陰の涼しさよ
西日よりはみ出る馬の真闇かな
あゝ会いに来てくれたんだほうたるよ
田中葉月転居
短夜や隠れん坊のかくれをり
白鷺は西に十字を切つて行く
青胡桃とても大事な話など
空蝉に笛遠ざかる豆腐売り
海月浮く言葉足らずと言はれても
花尻万博蝶舞ひて蝶の静けさお花畑
西日受け帽子の箱と目眩せり
蛇の腹縮みて四肢にあくがれつ
乱れ建つ門煙らする花氷
仲寒蟬電線をたどれば海へ夏燕
平積みの箱敷きつめて麦の秋
ワイン庫の黴うつくしく午下り
燕子花水行く方へ人も行く
何ものとつかぬ足跡泉の辺
箱庭の海鉛筆を灯台に
ウェブ会議かすかに風鈴の音が