2020年10月16日金曜日

令和二年 夏興帖 第十一(松浦麗久・高橋美弥子・姫子松一樹・菊池洋勝)



松浦麗久(いつき組、樹色)
夏空の青さに音符溶け出して
メロディーが光り始める夏の浜
この夏は優しさ取り戻せない夏
雲の峰希望を歌い続けたい


高橋美弥子(樹色)
高速の朝空まぶし袋掛
ペディキュアのはじけて青い夏の星
抽斗の奥の百円梅雨の月
ねむの花若き役者の逝く空や


姫子松一樹(青垣、関西俳句会「ふらここ」、樹色)
レガースのひたと吸ひ付く夏の昼
赤鱏を干せば現る人の顔
アロハシャツ着れば陽気に思はれる
サイダーに呼吸乱れてゐるこども
子鯰の腹に透けたる蚯蚓かな


菊池洋勝(樹色)
ダンボールベッド組み立つ初夏の風
甚平に着ける変身ベルトかな
リトマス試験紙の滲む夕焼かな