俳句新空間俳句帖
スクロールしてみる俳句巻子本。 年二回、媒体誌『俳句新空間』に転載。 SINCE 2012(平成24).12.28.
2020年10月23日金曜日
令和二年 夏興帖 第十二(川嶋ぱんだ・中村猛虎)
川嶋ぱんだ(樹色、つくえの部屋)
水眼鏡してアクリルの向こう側
峰雲が分厚く白くピアノ弾く
虹がでるまでまちぼうけ白い雲
薫風が吹いて午後から椅子だらけ
捨て積まれゆく文春の紙魚だらけ
横たわる頭を蛞蝓がわたる
天井を煙草の煙這う蜈蚣
中村猛虎
一畳に足りぬ棺桶道おしえ
姿見の中で口開く原爆忌
中年の肉のはみ出す虫籠窓
カフカ読み終えれば足下の出水
爆発してこその爆弾草いきれ
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