妹尾健太郎ろうそくの焔と似たる白魚かな
指で土落とすだけ野蒜すぐ齧る
ちょっとちくっとしますよ草餅
夢に立つ栄螺の殻を抜け出して
春鰯転がるさしずめ真人間ほどの
望月士郎ひとひらのどこからかきて春愁
点滴と心音シンクロして透蚕
秒針がちくちく痛い木の芽時
風光る睫毛とっても不思議草
たんぽぽの絮を吹くとき無人の駅
眞矢ひろみ背に縄を垂らす春夜のカレーパン
春月は軽く人類無かりせば
春愁か身ぬちを巡るワクチンか
神谷 波連翹やジーパン乾き喉渇く
仲直りのいちご大福鳥雲に
今更オリンピックなんてつばくらめ