堀本吟みどりの日シルバーワークへ通うらん
万能のおむすびの味春ならん
侵攻や海市も的になるならん
高橋修宏一列の戦車の終わり見えず春
春昼の微塵となりしかみがみよ
花よ鳥よ消えてしまった子どもたちよ
来るはずのなき姉を待つチューリップ
恋猫を追うや性別など捨てて
春の風邪やがては蝶となる話
蝶に問う道の終わりのその先を
小沢麻結車捨て歩み行くなり春の雪
世を探る二股の舌蜥蜴出づ
おばさんは転居土筆は伸び放題
浅沼 璞まだそこに救急車ある蝶の昼
弁当も雲もあまりて春の丘
中腰の人ばかりくる沈丁花
裏門を平たくぬけて卒業す
濡れながら人見おろせる柳かな
片栗の皆すなほなり反り返る
手放しの手話で咲かせる花みづき