2016年1月22日金曜日

平成二十八年歳旦帖 第一 (もてきまり・小林かんな・堀田季何・杉山久子・曾根 毅・夏木久)


もてきまり
一人居の浮雲気分去年今年
擦寄りし倦怠の猫大晦日
つまりその草石蚕ほどの病あり



小林かんな
催馬楽の背中に乗って初雀 
髪留を直す破魔矢を預けては
あらたまの嘴天へひらきけり



堀田季何(澤)
ぐちよぐちよにふつとぶからだこぞことし
初鴉沈黙す影失ひて
双六や道外れても道の上



杉山久子
初凪へジャージのライン蛍光す
双六のジブラルタルを渡りをり
ブルーインクの言葉満ちゆく淑気かな



曾根 毅(「LOTUS」同人)
風の中山を削りて年用意
初茜仮設住居を覆し
三の糸その儚さを初鏡



夏木久
コンセントに埃のたまり出埃及記     
そのノブを回せば春に違ひなし
裏漉しをして晴れやかに冬の影
ロボットに替はれる神が宝船
迷宮を眺めてをれば冬花火
初雪や地球人と酌み交はす
影広げもつと光を春隣