仙田洋子社あるたびに拝みて明の春
ちちははもちちははを恋ひ雑煮かな
初鳩の噛みつきあつてゐるところ
何といふ鳥の足跡初渚
春着の子宝のごとく膝に乗せ
舞ふ獅子の口に突つ込むチョコレート
初大黒風に押されて詣でけり
神谷 波泥のやうな眠りから覚め千代の春
無風快晴で始まる今年かな
大粒の赤子の涙初日受く
いつになく部屋がすつきり鏡餅
西暦より元号似合ふ鏡餅
岸本尚毅今の世にポチといふ犬お元日
あたたかに猫に蚤ゐるお元日
我の云ふことに我のみ初笑
初笑腰巾着として笑ふ
お屋敷の裏の日陰の初鴉
初霞通天閣に子を泣かせ
初東風や田舎稲荷に供へもの
堀本 吟除夜の鐘一打大本義幸哭く
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凧生きてきましたこの死にざま
福寿草わが事なくて今日は過ぐ
七草や陛下もっとも人として
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松過ぎの服脱いでみるリアリズム