俳句新空間俳句帖
スクロールしてみる俳句巻子本。 年二回、媒体誌『俳句新空間』に転載。 SINCE 2012(平成24).12.28.
2019年4月5日金曜日
平成三十一年 歳旦帖 第四(小沢麻結・真矢ひろみ・浅沼 璞・渡邉美保)
小沢麻結
初詣心にかかりつつ病めり
初笑父奪はるるとも知らで
小豆粥待たずに父は逝きにけり
真矢ひろみ
福沸ケトルに映る鬼笑ひ
スマホみな閉じゆく音といふ淑気
箱庭に夜御降りは柵の外
浅沼 璞
《歳旦三つ物》
ゐのしゝの歳旦発句帖に候
雑煮の餅もそこばくの汁
月咲きて花はのぼりて微笑みて
渡邉美保
お降りや月光菩薩の指の先
猫にツナ缶父にちょろぎの酒肴かな
人日のコーンスープのとろみかな
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