2019年4月26日金曜日

平成三十一年 歳旦帖 第七(ふけとしこ・井口時男・前北かおる・水岩瞳)



ふけとしこ
膝に笙休めて四日暮れにけり
人日や折鶴の息抜くことも
菓子箱の底の金色松も過ぎ


井口時男
雉一声枯野で年を越すつもり
ふるさとは神棚にぎはふ去年今年
あらたまの空蹴り上げて初ゴール


前北かおる(夏潮)
東京に初雪ありて旅に出づ
食卓に余白のありて粥柱
待春の十色に余る千羽鶴


水岩瞳
ふる里や初御空の碧いづくにも
箸二膳目を合はざすに御慶かな
書き込まれらしくなりけり初暦
読初や読み止しの本読み終わる
がらくた市胡散臭さを買初に