早瀬恵子侵攻や春の色が見つかりませぬ
明くる朝に祈りのバレーアンダンテ
昼顔のくちびる尖るウクライナ
春愁の地に描きたる赤い三角
つづれかなどこにも春は行き暮れて
岸本尚毅空青し我をめがけて杉花粉
庭広く淋し子供はたんぽぽに
つややかに柱の映る甘茶かな
のみものにクリーム載つて夕桜
すべて過去スイートピーも何もかも
春落葉掃くや団栗現れて
菓子となるパンダの顏や春は逝く
小林かんなシマフクロウまぶしさに耐え春に耐え
逃水いいえシマウマの縞
つちふってタンタンどうしても帰る
きりん発つさくら前線追いかけて
象の来たあの日もさくら咲いていた