2022年10月28日金曜日

令和四年 夏興帖 第五(瀬戸優理子・浅沼 璞・関根誠子)



瀬戸優理子
リラの風整列拒む詩のことば
人見知り泡もてあそぶ天使魚
人形の臍の穴押す夕涼み
首強く突っ込む夏シャツの青年
十薬や我に残れる根暗の根


浅沼 璞
カルミアの一つ一つに目が入る
猫背にて健康サンダル健康です
サンダルのなき勝手口風ぬけて
三角形ばかりで山小屋を作る
山小屋の節穴の目を動かしぬ
夕焼を呼び上げにけり立行司
笹飾り吹かれて右へ右へかな


関根誠子
若葉風わたしイルカになつてゐる
刈り跡を鋭くめぐり夏の蝶
里山やゆつくり蝿に留まらるる
夏至南風(カーチーベー)沖縄はオキナワを忘れない
弁当売りにやつと日影のめぐり来し