ラベル 曾根 毅 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 曾根 毅 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年4月28日金曜日

平成二十九年 春興帖 第二 (杉山久子・曾根 毅・堀本 吟)



杉山久子
少年の喉のあかるしヒヤシンス
風船の体育館を出でゆきぬ
行く春や怠けてをらぬナマケモノ

曾根 毅
話すたび気息を漏らし花菜畑
木の芽時爪先に血の行き渡り
太股の近きに生まれゆすらうめ


堀本 吟 
桜前線「天皇国」と称ふるあり
花喰鳥さかさになって花ついばむ
ゆーらしあふあんふあんのつちふれり
たんぽぽや「ぽ」のゆくすえはしあわせか    
ブラックホールに手足が生えて蛙の子



2016年1月22日金曜日

平成二十八年歳旦帖 第一 (もてきまり・小林かんな・堀田季何・杉山久子・曾根 毅・夏木久)


もてきまり
一人居の浮雲気分去年今年
擦寄りし倦怠の猫大晦日
つまりその草石蚕ほどの病あり



小林かんな
催馬楽の背中に乗って初雀 
髪留を直す破魔矢を預けては
あらたまの嘴天へひらきけり



堀田季何(澤)
ぐちよぐちよにふつとぶからだこぞことし
初鴉沈黙す影失ひて
双六や道外れても道の上



杉山久子
初凪へジャージのライン蛍光す
双六のジブラルタルを渡りをり
ブルーインクの言葉満ちゆく淑気かな



曾根 毅(「LOTUS」同人)
風の中山を削りて年用意
初茜仮設住居を覆し
三の糸その儚さを初鏡



夏木久
コンセントに埃のたまり出埃及記     
そのノブを回せば春に違ひなし
裏漉しをして晴れやかに冬の影
ロボットに替はれる神が宝船
迷宮を眺めてをれば冬花火
初雪や地球人と酌み交はす
影広げもつと光を春隣

2015年9月25日金曜日

平成二十七年秋興帖 第二 (早瀬恵子・曾根 毅・前北かおる・夏木 久)




早瀬恵子
ひと粒の真珠うかびし月書院
るるなりや献詠ほのと萩の宮
秋夜長ぬしさんからむ玉露酒




曾根 毅(「LOTUS」同人)
離れ浮く島や肛門まで野菊
法隆寺いくたび月を遣り過ごし
鳥の棲む暗さに残り鈴の音




前北かおる(夏潮)
仏壇の代はりの写真御中元
大人しき遺愛の猫や霊祭
朝顔の首筋白き昼下がり




夏木 久
物語の速度不足や吾亦紅
時計屋の時空の時化のその時代
彼岸への合図木椅子をひとつ燃す
地図にジャム仏蘭西麵麭に秋の海
地図に零せしインクの染み産土
屈強の雨後の出立伊予桔梗
亡骸も凶器も捨てし天の川